スサノオノミコトと夏越の祓の茅の輪くぐりの逸話
スサノオノミコトと夏越の祓の茅の輪くぐりの逸話
夏越の祓には、多くの神社で「茅の輪くぐり」が行われます。この行事、実はヤマタノオロチ退治の伝説で知られるスサノオノミコトと大きく関わるものなのです。
○夏越の祓の茅の輪くぐり
「茅の輪」とはチガヤを束ねて作った、人がくぐれるほどの大きな輪のことで、6月晦日の夏越の祓の行事の際にこれをくぐります。参詣者は茅の輪くぐりをすることで無病息災を願うのです。
○スサノオノミコトと茅の輪くぐり
『備後国風土記(びんごのくにふどき)』逸文に、こんなエピソードが書かれています。
昔、北の海(今の朝鮮半島)にいた武塔(ムータン)の神が南の海を訪れた時、日が暮れたため、武塔の神は蘇民将来(そみんしょうらい)という兄弟に「宿を貸してほしい」と頼みました。裕福な弟は冷たく断りましたが、貧しい兄は温かく迎え入れてもてなしました。
数年後、武塔の神は再び蘇民将来の兄の元へ訪れ、恩返しに「茅の輪を腰のあたりにつけ、蘇民将来の子孫を名乗れば疫病から逃れられる」と教えました。その通りにすると、本当に疫病を免れたといいます。武塔の神は「速須佐雄(はやすさのお)の神」つまりスサノオノミコトであると名乗ったということです。
○まとめ
現人神社では、旧暦6月末ごろにあたる7月31日に行う「夏越祭」で、茅の輪くぐりの神事を行っています。茅の輪くぐりをして茅守りを飾り、無病息災を願いましょう。